矢田勝美さん著『いのちをつなぐ海のものがたり』
この本を1人でも多くの人に読んでもらうために、書林ピンポン(本をツールに伝える活動)を始めたようなもんです。
今、手元にある『いのちをつなぐ海のものがたり』、全て矢田さんの直筆サイン入りです。
イラスト付きサインもあり、1冊ずつ全部違うので1冊も手離したくないないぐらいなんですが…この本を気に入ってくれる方と「いいよね」って共有したいので、時間がかかっても1冊ずつ丁寧に販売できたらと思っています。
どんな本なの?
著者は矢田勝美さん。
三重・伊勢湾の漁師さん(海苔養殖もされています)の娘さんで、職業はイラストレーターさん。
https://www.yadakatsumi.com/
伊勢湾の小さな漁村に生まれた著者が、漁師の人となりや暮らし、祈りの伝統行事を、豊富な写真と絵、文章で綴る。
(「BOOK」データベースより)
漁師とは…生きものをあつかう人。
風をよみ、月をみて、日々、いのちを懸けて仕事をする海の職人。
海の神さまを大事にし、魚を供養し、なにかにつけ縁起をかつぐ、ぶっきらぼうで、とっつきにくいが、心のきれいな男たち。
伊勢湾の小さな漁村に生まれた著者がどうしても伝えておきたかった漁師の話。
(Facebook『いのちをつなぐ海のものがたり』ページ、内容紹介より)
2022年(令和4年度)より配布される高校の教科書にも掲載されています。
文部科学省検定済「国語の教科書」(東京書籍 刊行)
手作りの“海藻しおり”付きで販売
濱口惣七さんという伊勢の漁業組合長でもあった元漁師さん手作りの“海藻しおり”付きです。
裏面の手描きの文字も素敵なんです。
この“海藻しおり”は矢田さんからいただきました。
http://tubuanco.tea-nifty.com/tubuantea/2012/04/post-cd87.html
矢田さんと濱口さんのストーリーも心が温まります。
ブログの記事、最後の方に記念撮影された写真が掲載されているのですが、写真の下に書かれた一行が心に刺さりました。
この本に出会ったきっかけは1枚のフライヤー
私は海苔が大好きです。
「父の海苔問屋継ぎたい」父が閉業したあとは「それでもどうにか海苔に携わりたい」って言い続けていました。
どんな話も海苔に置き換えて考えてしまったり、海苔で例えてしまったり。
ついつい海苔の話をはさみがち(悪い癖)なので、私の友人はどこかで海苔を見ると私を思い出してくれることがあります。
墨田の友人・トーキョーバイクのきんちゃんが岐阜で見つけたフライヤーの写真を撮って「こんなの見つけたよ」って送ってくれました。
海苔がメインテーマのイベントってあんまりないし、とにかくイラストがかわいくて。
写真の小さい字を見てググったのが「イラストレーター 矢田勝美さん」でした。
矢田さんをググって知ったのが、『いのちをつなぐ海のものがたり』です。
帯に書かれた「海で働く人たちが永遠ではないかもしれない」という言葉がドスンときて、即購入。
まず、美しい写真や矢田さん特有の温かみのあるイラストがたくさん描かれていてアートブックのような仕上がりなんです。
タイトルの文字も矢田さんが描かれています。
本としての全体のデザインに心を掴まれて。
読み始めるじゃないですか、一気読みです。
私は海苔の人なので、海苔については共感の連続。
でも、漁師さんという職業のこと、海のこと、伊勢湾という地域特有のことなど初めて知ることもたくさんありました。
漁師さんのことも、海の上での命がけな勇ましい姿と、おうちでのお父さまの愛らしい姿が娘さんならではの視点で書かれているので、臨場感と説得力があって。
大きく変わりゆく海や自然に対しての危機感も感じます。
でも説教くさくなくないから、染みるんです。
シンプルな「大切なこと」に気づかせてくれる本。
一次産業に携わる仕事は、海でも陸でも「自然と対峙する」という点において共通していますし、魚など海の幸を口にしている全ての人に、海の幸に限らず農作物を口にしている全ての人に読んでほしい1冊です。
スーパーに並ぶ魚や野菜を見る目が変わります。
何度も何度も読み返して、ご本人に感想を送りつけたんです。一面識もないのに。
そしたら、どこの誰かも知らない私に返信をくれて。
海苔の話など文字ではやりとりしきれなくなり、電話をもらって昔からの友達みたいに、本のこと・海苔のこと・自然のことを話しました。
当時、西日暮里BOOK APARTMENT(ブクアパ)に出棚するタイミングだったので、全ての本にサインを描いて送ってくれることに。
私自身に思いもよらないことが起きて急遽地元にUターンして、ブクアパはやめてしまったんです。
当初は地元で“本をツールに伝える活動”をするつもりはなかったのですが、この本があったから地元でもできるやり方で継続することにしました。
それが「書林ピンポン」です。
ポストカードも販売中
千葉県で買えるのは書林ピンポンだけです
書林ピンポンに来てくれるかも!
書林ピンポンでは、著者を招いてトークイベントだったり、著者を囲んで一緒に一冊の本を読む会を開催しようと思っています。
私自身の激動とコロナ禍がなければとっくに会いに行っていたはずなんですが…実は矢田さんとは、まだお会いしたことがないんです。
2022年の夏〜秋あたりで矢田さんを招いてトークイベントを開催予定です。
電話で話していても、とても魅力的な方なんです。
矢田さんの作品と共に、矢田さんの魅力も伝えられる会にしますので。
蔵波台にいながらにして作家さんの生の声を聞けるなんて、蔵波台初なんじゃないでしょうか。
皆さんに「お楽しみに!」と伝えると共に、私自身がめちゃくちゃ楽しみにしています。
注目!書林ピンポンのロゴマーク
お気づきでしょうか。
書林ピンポンのロゴマークも矢田さんに描いてもらいました!
好きすぎて…身の程をわきまえず書林ピンポンのロゴを依頼したのは、はい、私です。
断られてもいい…ダメ元でお願いしたら、快く引き受けてくださいました。
そして、「本と卓球というチグハグな要素を盛り込んで」というリクエストに応えて、こんなに素敵なロゴマークを描いてくれました。